腰痛、膝痛、肩や首の痛みで病院に行って検査を受けたら、「椎間板が潰れています」「関節の軟骨がすり減っています」「骨がずれています」などと言われた事がありませんか?
こんな事を言われたら、「もうこの痛みは一生治らないのでは…」と思ってしまい、薬やマッサージでその場の痛みをごまかしながらの生活になってしまいます。
実は、関節や椎間板の異常は痛みとあまり関連性がない事が科学的に証明されています。
関節の変形を手術で治すような事をしなくても、 あなたの関節の痛みや長引くシビレは改善する可能性があります。その4つの理由をご紹介します。
まず知って頂きたいのは、
「慢性痛」についてです。
一般的には、怪我や病気によって痛みが生じてそれが長期化したものを「慢性痛」と呼んでいました。しかし、痛みの研究が進んだ結果、慢性痛は痛みの原因となる怪我や病気が治った後も痛みが続いている新たな病気である事が分かってきました。
日本人の4人に1人は腰痛を持っていると言われています。その全腰痛のうち85%は画像検査では原因を特定できない
「非特異的腰痛」と呼ばれています。
レントゲンやMRIで関節の異常が見つかっても、そのうち85%は腰痛との関連性がないのです。
その一例をご紹介します。
長い間腰痛の原因であるとされてきた「腰椎椎間板ヘルニア」は、腰痛のない健康な人にも存在する事が分かっています。
・腰痛のない健康な人の椎間板ヘルニアは76%
・腰痛のない健康な人の椎間板変性は85%
MRIで調べると、上記の割合で椎間板の異常が見つかりました。(Boon N.et al,Spine 1995)
病院でレントゲンの検査を受けると、「腰の骨と骨との間が狭くなっています」と言われて「椎間板症」と診断されたり、MRI画像でヘルニアの診断をされる事がありますが、椎間板の異常があるから腰が痛いわけではなく、何かの原因で腰痛になって腰の検査を受けたら、たまたまヘルニアが見つかったという事なのです。
椎間板ヘルニアについては、こちらページでもご紹介しています。
膝が痛くなり病院で検査を受けて、「膝の軟骨がすり減っている」と言われた方は多いのではないでしょうか?
関節の変形も加齢によって進行する変化であり、ある年齢を過ぎれば誰にでも見つかります。
変形性膝関節症についての研究をご紹介します。
膝の痛みがない50歳を超えた健康な人710名を対象にMRIで検査をしました。
・健常者の89%に膝関節の異常が見つかった。
・異常所見は年齢が高くなるにつれて増加していた。
・画像検査はシミ、シワ、白髪を探しているにすぎない。
(Guermazi A.et al,BMJ 2012)
膝関節の異常は50歳を超えると89%の膝関節に存在し、年齢が高くなるほど増えていきます。
つまり関節の異常は、「加齢によって起こる正常な変化」であり、顔のシワや白髪のように誰でも少しずつ増えていくものなのです。したがって「膝の軟骨がすり減っている」と言われても、それは痛みとは別問題であり、変形がそのまま残っていても痛みを改善する事はできるのです。
慢性痛が長引く原因として、ストレスが大きく関与している事が分かりました。
「不安、恐怖、悲しみ、怒り」といった感情が「脳」にダメージを与えます。
⚫︎骨の変形があるから手術しなければ治らない ➡️ ストレス
⚫︎またあの痛みが再発するのでは… ➡️ ストレス
⚫︎膝の軟骨がすり減っているから運動をやめて下さい ➡️ ストレス
レントゲンやMRI画像で関節の異常を告げられてこのような事を言われると、ストレスのために脳内の痛みの回路が興奮してしまい、痛みが悪化します。
脳と痛みについてはこちらの記事で確認してください。
慢性痛が長期にわたると、良くなるイメージを持つことができなくなり、考え方や物事の捉え方もマイナスになってきます。
⚫︎治療後調子がよくなり歩きすぎて痛みが増した
⚫︎年のせいだから仕方がない
考え方や捉え方を少し変えるだけでも、傷みや気持ちは楽になっていきます。
⚫︎痛いけどここまで動かせた
⚫︎たくさん歩けたが、久しぶりに動いたので痛みがでた。筋肉痛かな?
⚫︎若くて痛い人もいるし、高齢で元気な人もいる
できたことや良いことに目を向けて、徐々にできることを増やしていくと、身体は強くなり自信もついてきます。
痛みに関してもプラスに考えてみましょう。
残念ながら、長引く腰痛やその再発を防ぐための手段がこれであるという事を、現時点では確定することができません。しかし、欧米の腰痛ガイドラインに従った治療法が、「治癒率、再発率、患者さんの満足度」ともに上回っているというエビデンス(科学的根拠)はあります。
椎間板ヘルニアのような、腰痛の原因とされる診断名と痛みとを同じに考えて悲観的になると、本来なら自然治癒するはずの痛みやシビレが慢性化してしまい、最終的に手術をしても痛みが改善しないといったことにもなりかねません。
今まであなたが、従来のシップやマッサージといった受動的な治療を続けていて症状が良くなっていないとしたら、ここで紹介した内容を参考にしていただき、痛みを恐れずに自ら積極的に治そうという意識に変えていくことをお勧めします。
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