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腰椎椎間板ヘルニアは正常?

腰痛分野のノーベル賞


腰痛分野の研究においてはノーベル賞に匹敵すると言われるボルボ賞を受賞した研究です。 

 資料 TMS ジャパン
⚫︎ 強い症状を訴える椎間板ヘルニア患者46名と、腰痛のない健康な人46名の腰部椎間板をMRI撮影し比較したところ、健康な人76%椎間板ヘルニア椎間板変性85%に見つかった。


⚫︎手術適応との差は職業上の問題(仕事のストレス、集中度、満足度、失業)と
    心理社会的問題(不安、抑うつ、自制心、結婚生活)
                                                                                                           (Boos N.et al.Spine1995)



椎間板の変性は正常?

 上のグラフを見ると、


本人は自分が腰痛患者のとは思っていないのに、椎間板変性や椎間板ヘルニアが見つかっています。


椎間板が正常な人は(緑のグラフ)わずか15%と24%。


これでは何が異常で何が正常なのか分からなくなります。



椎間板の変性やヘルニアは、加齢によって生じる《身体の正常な変化》と言えるのではないでしょうか?


 同年齢の人を画像検査すると、似たような腰の変性が見つかります。


      椎間板ヘルニア=痛み、しびれ

とは言えないのです。



椎間板ヘルニアに手術は必要?

 健常者の8割近くの人に「椎間板ヘルニア」が見つかります。


 しかも、椎間板ヘルニアは手術の有無に関わらず時間が経てば無くなります。


 椎間板ヘルニアか脊柱管狭窄症で手術を受けた665名を、2〜4年間追跡した研究によると、


 手術実施率が高い地域は、低い地域より治療成績が劣っていました。


欧米の腰痛ガイドラインでは

 欧米各国では、慢性腰痛に対して「腰痛ガイドライン」に従った保存療法を2年間行っても効果がないか、


 激しい痛みが続く患者に限り手術の実施を検討します。



 
 こんな研究報告もあります。


 🔵手術を受けた患者の5〜50%は、症状が全く改善しないか更に悪化する。(  Bogduk n,Med J Aust,2004)

 🔵再手術の改善率は45%、3回目では25%、4回目では15% ( Waddell G.al,J Bone Joint Surg Am,1979 )


 最初の手術で改善されないと、再手術を繰り返すたびに改善率が低下していきます。


 何回手術をしても痛みが取れない上に、悪化していく確率も増え、


この痛みを取り去るために手術が繰り返されることになり、「フィルドバック症候群」に陥ります。


  手術に踏み切るにしても、高額な医療費、高い再手術率と合併症の頻度を考えると、患者の選択は慎重にすべきとなっているのです。


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