身体のどこかが傷つくと「痛い」と感じます。
痛めた部位にある「痛覚受容器」が反応して、身体の異常を脳へ伝える事で、ケガや病気を本人が認識します。
ですから、痛みの原因である傷や病気が治れば痛みも消えていきます。
このような通常の痛みに対して、慢性痛は傷や病気が治った後も痛みが続いている新たな病気の状態です。
痛みの慢性化は脳との関係で始まります。
特に交通事故の場合、
⚫︎交通事故後の対応が大変
⚫︎外傷がない場合職場や家庭の理解が得にくい
⚫︎寒さ、天候などの条件付けで症状を繰り返す
などといった具合に、身体へのストレスだけでなく「心理社会的ストレス」も加わります。
急に追突事故にあった被害者意識、保険会社とのやりとり、仕事への復帰の遅れなどといった心理面も回復を遅らせます。
リトアニアという国では、「むち打ち症」の概念がないので、交通事故でむち打ちになって症状が長引く事はありません。
また、追突事故の被害者に対する補償制度のないギリシャでも、交通事故で痛めた首の症状は慢性化しなかったとの研究報告があります。
長引くむち打ち症状と「非特異的腰痛」は似たところがあります。
日本人の4人に1人は腰痛を経験した事があると言われていますが、その85%は原因を特定できない「非特異的腰痛」です。
腰痛の概念がない「タンザニアのハザ族」の人達は、外傷の時以外に腰が痛くなる事はありません。
また、ハザ族にはうつ病もないそうです。
むち打ち症と同じく、腰痛の発症やその回復に社会的背景が関係しているのです。
fMRIの普及によって、脳の活動から見た痛みの研究が進んできました。
脳が「不安、怒り、恐怖、悲しみ」を感じると、脳の扁桃体が活性化します。
そうすると脳の側坐核が機能低下を起こし、痛みを抑えるシステムが働かなくなります。
慢性痛が長期にわたると、脳の前頭葉(DLPFC)が萎縮します。
感情をコントロールしている前頭葉の働きが低下すると扁桃体が暴走し、痛みの回路が興奮するため少しの痛みでも強く感じやすくなります。
突然の交通事故にあってしまうと、ストレスや不安、怒りなどの感情が脳にダメージを与えます。
例えその自覚がなくても、潜在意識には事故の恐怖や様々なストレスが存在する事があり、症状が長引く原因となります。
激しい腰痛に襲われた時にでも、レントゲンで骨の変性が見つかったり、下手に動いたら悪化するかもしれないとなどと考えてしまい、脳は不安や恐怖を感じます。
こうして、脳の機能低下、痛みの記憶、痛みの条件付け、自律神経の乱れなどといった慢性化や再発への流れを作ってしまうのです。
あおふじ整骨院では、スポーツや交通事故によって発生した慢性痛の治療も得意としています。
当院では、
施術は院長が行います。
予約優先制となっております。
交通事故のトラブル等には法律事務所をご紹介します。