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交通事故を引き起こすヒューマンエラー

人間はエラーをする

 様々な分野で起こる事故には多くのヒューマンエラー関わっています。交通においては様々な場面があり、「心理、生理、環境」によってもドライバーの対応は変わるため、たくさんの情報を短時間で処理しきれず間違いを起こしてしまいます。

 車の運転ではミスを修正するまでの時間が短かいために修正ができず、大きな事故につながることがあります。

 アクセルとブレーキを踏み間違えたなどは時折おこるケースで、加齢とともに多くなる傾向にあります。

避けられるミス

 人間の行動は、意図した行動と意図しない行動に分けられます。「うっかり」や「思い込み」による意図しない行動のミスを防ぐのは大変ですが、そのリスクを減らし安全レベルの高い運転を心がけましょう。

常に意識レベルを高く

 疲れや寝不足、明け方近くの運転中に眠くなってしまったり、意識がもうろうとした経験はありませんか?

 覚醒レベルが低下した状態では、エラーの確率は10回に1回と非常に高くなります。信号を見落としたり、先行者のブレーキランプへの反応が遅れるなど、重大な事故につながることがあります。

 人間には、サーカディアンリズムと呼ばれる大脳の活動水準の変動があります。人間は体の基本的な働きを約24時間のリズムで変化させていて、深夜から明け方にかけて精神活動レベルが低下してきます。


 サーカディアンリズムによって眠気は早朝4時頃にピークとなり、この時間に交通事故の発生率も多くなります。

感覚刺激の遮断

 一般道での運転は、信号、標識、歩行者、自転車などに注意しながらハンドルやブレーキ操作に素早く対応しています。それに対して高速道路での運転では一般道のような刺激は少なく単調で、大脳レベルが低下して眠気がおそってくることがあります。


 日本の高速道路では真っすぐな部分がないように作られていて、常にハンドル操作が必要とされており、居眠り防止につながっています。

 それでも夜中の高速道路を運転していると眠くなることがあります。
 その防止策としては、

・ 適当な間隔で休憩をとる

・ 一定時間ごとにメーターをチェックする

・ 頻繁にミラーで後方確認をする

などです。

 
 窓をあけて新鮮な空気を入れたり、ガムを噛むなどの対策もありますが一時的な効果であり、疲れや眠気がを感じたらすぐに休憩することが大切です。



携帯電話を使用するリスク

 車の運転中に電話はやメールが入ったとき、つい電話に出てしまったりメールの内容を確認したりする人もいると思います。

 最近では歩きスマホでさえ危険行為としてやらないように呼びかけられています。それが運転中となるとなおさら危険ということになるのです。


 携帯電話の運転への影響は…


① 発信、受信によるもの

 操作するのに電話機を見るため、運転に必要な情報をとれなくなること。


② 通話によるもの

 会話の複雑さ、別れ話や金銭トラブルのような内容では運転に集中できない。


③  運転者属性の違い

 電話操作への慣れ(不慣れ)がある。


 ・着信から通話状態にして視線が戻るまでに2秒間わき見をしているのと同じ。


 ・会話は相手の話を記憶して回答する作業だから情報が過負荷状態となる。


  携帯電話使用中の事故は携帯電話を使用していない場合の4倍の危険性があり、これは、大人がビールを大瓶1本半飲んだのと同じくらいの事故遭遇率に相当するそうです。


ボンヤリしない感受性

 ・ 他のことに気をとられていた。

 ・ 前をよく見ていなかった。

 一方に意識が行く間は、他方に意識がいかなくなります。また考えごとや悩みごとがあると運転から注意がそれてしまい判断を誤ることがあります。


 いずれにしても、交通事故を起こしてしまうリスクを減らすためには、自身の体調面、心理面を含めた管理を徹底することが大切です。

(参考文献 : 交通事故学  石田敏郎著)
    

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