いつも仕事帰りに来院されるYさんから、このようなお話をされました。
連休に車で出かける予定があり心配になります。
出かけた帰りにいつも妻は助手席で寝てしまうためイライラしてしまいます。
助手席に座った人は周囲の状況をよく見て、「こっちから車が来る」とか、「今合流しても大丈夫」といった運転手のサポートをするべきで、寝るなんて考えられないとのことでした。
そもそも私とYさんの考え方は違うため、私には共感できないケースも多くあります。
しかし、その人の考えを正そうとか自分の考え方を押しつけることはせず、「この人の考え方はこうなんだ」とただ思うだけにしています。
ですが、Yさんはこのようなイライラや不安につながる思考パターンを変えたいという強い気持ちがあり、いつも相談してくれるため少しお話させていただきました。
例えば、助手席の奥さんが「横から車が来るから気をつけて」と言ったとします。
このような何気ない言葉でも、人によって捉え方が違うと思います。図解している不満AとBは、同じ1つの言葉に対する思いなのに正反対のような内容ですね。
Yさんにとっては、奥さんがこのように気にかけてくれることが正解であり、求めていることかもしれません。
ですが、自分の運転に自信がある人にしてみれば余計なお世話で、ただの押し付けの行為と感じるかもしれません。
人はみんな、自分の中で正解と決めていることが正しいと思っているため、それと違う行為や考え方に対してはネガテイブな感情が出てきてしまいます。
そんな時は、まず自分の内側にある気持ちを見て、
それを認めた上で相手の内側にある思いを肯定的に見ていくと、嫌な感情は減ってくるかもしれません。
もしかしたら、Yさんの中には「自分の考えを理解してほしいという」という本当の思いがあり、
奥さんの、「家族の安全のため」「運転しているあなたの負担が減ればいい」といった気持ちが読みとれるかもしれません。
これらはあくまでも私のイメージですが、この様に物事を見ることができると、これまでいつも生まれていたイライラや心配は減ってくるかもしれません。
助手席に座った人は「〇〇するべき」「〇〇してはいけない」というような1つの正解を求めていくと、永遠に自分の気持ちが満たされず、不快な感情が頭から離れなくなってしまいます。
間違ってる相手を何とか変えたいと思いイライラするより、まずは自分の感情の動きに気づくことから始め、自分がなぜイライラしていて、本当は何を求めているのかを知ることが大切だと思います。