70歳代女性、腰痛の患者さんが半月程前からの強い腰痛で来院されています。
花粉症でクシャミが止まらず、腰痛を悪化させたそうです。
本日来院されたとき、このようなお話しをされていました。
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何年も前に病院で検査を受けた時、骨が変形してると言われた
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腰に負担をかけないように、うまく付き合いなさいと言われた
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変形が生じた原因は自分で分かっている
というような内容です。
病院でレントゲンを撮って、骨の変形を指摘されることは珍しくありませんが、本当にこれが痛みの原因なのでしょうか?
このことは、診断をした医師にも本人にもわからない事なのですが、このような指摘をされると多くの人は「骨の変形=痛み」→「痛みが治らない」と思い込みます。
しかし、骨の変形は誰にでも生じる加齢変化で、必ず痛みが発生するわけではありません。
ネガティブな思い込みは脳の異常反応を引き起こし、実際に痛みを強くする可能性があります。
確かに痛みが強く動けない時もあるのですが、可能な限り身体を動かして腰に負担をかけた方が、腰は強くなります。
これは多くの研究でも報告されており、腰への負担が大きいほど椎間板の状態は良好で、腰痛の発症率は低くなります。
腰を過剰に守りながらの生活では、筋力の低下や血流の低下などを引き起こし、また、あらゆる行動に対して脳は警戒しストレス反応を起こしてしまいます。
当然、身体の働きは正常に行われず、痛みも感じやすくなります。
この患者さんは、
「変形の生じた原因は自分で分かっている」とハッキリ言いきっておられました。
それは、職場にある重い扉を、いつも腰で押して開けていたからだということです。
私がそれを聞いたとき、本当にそれが原因だと共感することができませんでしたが、ご本人は長年そう思ってきたわけですから、完全に否定もしませんでした。
ただ、このような決めつけや強い先入観がある人程、他者の意見には否定的になりその考えはさらに強化され、脳の働きを低下させ痛みを長引かせることになります。
腰痛を楽にしていくために必要なことは、正しい知識を取り入れ身体を動かすことです。
そのためには、人それぞれに感じている後ろ向きな感情に目を向け手放していくことが大切です。
その方法をお伝えするために私の書いた本、「脳に教えれば腰痛は楽になる」を出版することになりました。
4月9日Amazonから販売を開始しますので、腰痛にお悩みの人、思ったように行動できない人などに読んでいただけたら嬉しいと思います。