「やる気が出ない」
「モチベーションが上がらない」
など、やる気がでたら始めようと思っていても、なかなか取りかかれないこともあると思います。
人間は、理性的な脳の部位(前頭前野)が発達していますから、やりたいことを我慢したり、本当は嫌なことでもやるべきことは実行することができます。
人間以外の動物は、本能に従って行動していますから、食べたい時に食べ、寝たい時には寝ます。それを自分でコントロールし我慢することは、基本的にできません。
人間も同じように、好きなことならすぐに行動できるのですが、好きではないこと、やらなければならないことはモチベーションが上がらず、なかなか行動できないこともあります。
人間の頑張りには2つのパターンがあります。
1、不快を避けるために頑張る
2、快、報酬を求めて頑張る
この2つをうまく利用すれば、モチベーションを上げて頑張ることができます。
1つ目の「不快を避ける」とは、子どもでいえば親や先生に叱られないために、習いごとや勉強を頑張るときのモチベーションです。
親や先生に叱られて、それに伴う「恐怖」の感情が生まれたとき、「ノルアドレナリン」という脳内物質が分泌されます。
すると、注意力や集中力が高まり作業がはかどります。
ストレスホルモンの1つであるノルアドレナリンが分泌されると、緊急時の反応が起こり、頭は冴えわたり大きな力を発揮することができます。
また、時間が制限された状態でもノルアドレナリンが分泌されますから、その働きで能率よく作業を進めることができます。
子どもの夏休みの宿題が、ギリギリまで手につかずにいたのに、最後の1日で終わらせてしまったなんていうのは、ノルアドレナリンの働きからくるものです。
ノルアドレナリンをうまく利用するために、終わらせる時間を決めてタイマーをセットし、その時間内に終わらせようと頑張るのも1つの方法です。
このように、自分で期間や時間を設定して仕事をこなすというのは、短期的には非常に有効な手段といえます。
不快を避けるための方法「ノルアドレナリン」の効果は短期的です。
いつも親に叱られていては、それに慣れてしまいますし、過酷な環境で長期間頑張りすぎればノルアドレナリンは枯渇し、心身ともに疲れてしまいうつ病の原因にもなります。
期間や時間を設定するにも長すぎない時間にしてください。
長期的に頑張るためのモチベーションを上げるには、2つ目の「快、報酬を求める」方が向いています。
勉強でいえば、「親にほめられる」「ほうびをもらう」のが嬉しいから頑張る、といったことが当てはまります。
これらは、報酬を受けることによって分泌される「ドーパミン」の作用によるものです。
ドーパミンを利用する具体的な方法については、また次の時に述べていきます。