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【3た論法とは】飲んだ、治った、効いたは雨乞いと同じ

「〇〇を飲んだら〇〇に効いた…」
 「〇〇をやったら健康になった…」
 
体験者のコメントとして、テレビや新聞広告などでよく耳にするフレーズですが、
はたして「〇〇が効いた」という誰かの体験談は、有効な情報なのでしょうか?
残念ながら、「効果があった」という誰かの体験談は、
エビデンス(科学的根拠)に乏しいといえます。

雨乞いをしなくても雨はいつか降る

皆さんは「雨乞い」の効果を信じますか? 
  
  • 雨乞いをし 
  • 雨が降っ 
  • ゆえに雨乞いが効い 

このようなたとえは、

フレーズの最後にくる3つの「た」をとって「3た論法」と呼ばれます。 

雨乞いをしたから雨が降ったの? 

雨乞いをしなければ雨は降らなかったの? 


雨乞いの本当の効果なんて、誰にも分かりませんよね。 

ただ、 

雨乞いは、雨が降ってくるまでつづきますから、

根気よくやりつづけてさえいれば、
いつかは雨が降ってきます。 

雨乞いと雨が降るタイミングとがうまく合えば、雨乞いに効果があったようにも見えます。

しかしながら、雨乞いをやらなかったケースとの比較ができないため、

その効果を証明することは、誰にもできないのです。
  
 

クスリの効果を確かめる

では、これをクスリに当てはめてみましょう。 

たとえば、

「私は〇〇を飲んだらバッチリ効果あったよ」

と友人が言ってたら、この情報をどう思いますか?

雨乞いの説明に照らし合わせると、

⚫︎クスリを飲んだ 
⚫︎風邪が治った 
⚫︎ゆえにクスリが効いた 

となります。 
  
雨乞いと違うのは、対象がクスリで、しかも信頼できる相手から得た情報ということ。

お医者さんや親しい友人などに言われたら信じてしまいそうですが、 


やはり、これも雨乞いと同じ「3た論法」なのです。

  • 本当に薬が効いたのか
  • 自然経過なのか
  • プラシーボ効果なのか

これらが分かりません。 

※プラシーボ効果とは、薬効のない偽物のクスリを、「よく効くクスリ」だと言って飲んでもらうと、その病気が治ってしまうという効果のこと


たった一人を対象に観察していても、本当にクスリが効いたかなんて証明しようがないのです。 


そのクスリの効きめなのかを確かめるためには、

「それを飲まなかったときはどうなのか?」

を調べなければいけません。
(雨乞いをしなかったらどうなったのか) 


比較対象試験が行われていなければ、それは根拠のない情報となります。 


比較対象が必要

本当にクスリが効いたのか?
クスリと信じて飲んだから治ったのではないか?


クスリが効いたと証明するには、プラシーボ効果ではないことを確かめ、示す必要があります。 

  1. 対象となるクスリを飲んだ群
  2. 薬効のない偽物のクスリを飲んだ群 

複数の対象群を比較して、

薬効のないニセのクスリを飲んだ群を上回る、治療成績でなければなりません。 


その情報の正しさを見極めるには、

その情報に根拠があるかどうかを尋ねることが必要なのです。


まとめ

・誰かが言ってたから…
・偉い先生が言ったから…
・〇〇さんが治ったらしいから…

これらは、根拠がある情報とはいえません。

誰かには効果があった治療であっても、自分にも同じく効くとは限りません。


本当の薬の効果はわずか1/4。
一方でプラシーボ効果は、全体の1/2ともいわれています。

「要は治ればいい」

という考え方もできますが、その確率を上げていくためには、

根拠のある情報に従った治療法を選択するのが最善といえるでしょう。


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あおば秀樹🦴ほねつぎ院長

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